【実体験】NZドル/円のスワップ狙いでロスカット——初心者がFXで学んだ5つの教訓

副業
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本記事は筆者個人の実体験です。将来の結果を保証するものではありません。取引は余剰資金かつ自己判断で行い、最新の取引ルール・リスク説明書をご確認ください。

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きっかけ:スワップポイントの本から始まった「長期保有でコツコツ」

私がFXを始めたのは、書店でスワップポイントで生活という趣旨の書籍を見かけたのがきっかけでした。

金利差に基づくスワップポイント(受取/支払)を知り、「長期でNZドル/円を買いで持てば、毎日ポイントが増える」というイメージに心が動きました。

調べれば調べるほど、高金利通貨を長期保有してコツコツ積み上げる戦略は魅力的に見え、私は少額の証拠金でNZドル/円(買い)のポジションを保有。

毎日付与されるスワップが口座に加算され、「これなら堅実に増やせる」と信じ込みました。

悪夢の朝:東日本大震災後に届いた「ロスカット通知」

そんな安心感は突然終わりを迎えます…。

2011年3月11日の東日本大震災。報道に釘付けで相場どころではありませんでしたが、翌週月曜の早朝、見慣れないメールに目が覚めました。

件名は「ロスカットのお知らせ」。

半信半疑でチャートを開くと、リスク回避(円買い)が一気に進み、NZドル/円は数円規模で急落。

口座の証拠金維持率が基準を割り込み、強制決済(ロスカット)が発動していたのです。

「ロスカットって、本当に起きるのか——」。初心者の私にとって、それは現実感のない出来事でした。

焦りと過信:借入→再エントリー→一時プラス→再び円高→二度目のロスカット

ここで私の判断はさらに悪手に傾きます。

ここからさらに下がるはずがない」という根拠のない自信で、キャッシングで資金を追加再エントリー

たしかに直後は反発が入り、含み益は一時50万円近くまで拡大。

日々のスワップポイントも受け取りながら、「これで取り返せる」と気持ちが緩みました。

ところが、その後はじわじわと円高トレンドへ。プラスは削られ、損益ゼロを経て、やがて再び維持率低下→ロスカット

私は市場から撤退せざるを得なくなりました。

最終的な実損は約20万円

当時は毎月1万円貯金できるかどうかの生活です。

2年近く積み立てた貯金が数か月で消え、加えて借入の返済に約2年

FXの価格変動リスクの現実と、心理の罠の強さを痛感しました。

初心者向けミニ解説:ロスカット・スワップ・レバレッジの基本

ロスカット(強制決済)

  • 何か:口座の証拠金維持率が基準を下回ると、取引会社が自動でポジションを決済して損失拡大を抑える仕組み。

  • 注意:あくまで最後の安全装置。急変動や週明けの**窓(ギャップ)**では、想定より悪い価格で決済されることもあり、損失ゼロは保証されない

 

スワップポイント(金利差調整)

  • 何か:通貨ペアの金利差に基づき、保有中に受け取り/支払いが発生する調整額。

  • 注意:日々の水準は変動し、相場環境次第で受け取り→支払いに変わることも。トータル損益=為替変動+スワップ+コストで判断する。

 

レバレッジ(証拠金で大きな取引を動かす仕組み)

  • 何か:預けた**証拠金(担保)の何倍もの金額を取引できるしくみ。国内店頭FXでは上限(例:25倍)**が設定されるのが一般的。

  • キーワード

    • 建玉(たてぎょく):保有中のポジションの総額

    • 必要証拠金:その建玉を持つのに必要な担保

    • 実効レバレッジ:実際にかかっている倍率
      – 計算式 → 実効レバ = 建玉金額 ÷ 有効証拠金

  • 簡単な例

    • 有効証拠金 10万円、USD/JPY 150円1万通貨を買うと建玉は約150万円

    • 実効レバ=150万円 ÷ 10万円=15倍

    • 1円逆行で約1万円の含み損。含み損が増えると有効証拠金が減り、証拠金維持率が低下 → ロスカットに近づく。

  • 最大レバ vs 実効レバ

    • 最大レバ=制度上の上限(使える上限)

    • 実効レバ=あなたの口座が“今まさに”晒しているリスクの強さ

    • 運用の目安:初心者はまず実効レバ2〜5倍程度に抑え、最小ロットで練習すると、維持率に余裕ができロスカットに追い込まれにくい。

  • ポイント

    • ロット(通貨数量)を小さくする=実効レバが下がる

    • 逆指値(損切り)を必ず同時に置く=想定外の拡大損失を防ぐ

    • 追加入金で延命するより、縮小・撤退でリスクを切る

 

 

どこで間違えたのか:反省点の棚卸し

  1. ルールより感情が先に立った
    エントリー時に損切り(逆指値)を置かず、「戻るはず」という確証バイアスで判断。結果、小さく負ける機会を逃し、大きく負ける展開に。

  2. 追加入金で延命してしまった
    維持率を上げてロスカットは回避できても、相場の方向が変わらない限り状況は改善しない。追加資金は損失確定の先延ばしになりやすい。

  3. 週明け・イベントの“窓”を軽視
    重要ニュースや週明けのギャップ(窓開け)は、想定外の価格で約定しやすい。指標カレンダーを確認し、ポジション縮小や持ち越し回避をルール化すべきでした。

  4. レバレッジとロットの過大
    口座に対して実効レバレッジロットが重く、数円の逆行で維持率が急落。初心者は実効レバ2〜5倍を上限に、最小ロットでの検証が無難です。

  5. 「スワップ=安定」という思い込み
    スワップは魅力ですが、基準金利・政策・相場環境で変わります。高スワップ=低リスクではありません。

 

体験から得た5つの教訓(再発防止の実務)

教訓1|イベントと地合いを最優先
経済指標・要人発言・地政学・天災は為替に直結。重要日程は事前に把握し、持ち越し縮小ストップの再設定を徹底。

教訓2|損切りは“置くのが前提”
エントリーと同時に逆指値をセット。一回の損失は口座の1〜2%以内に制限し、資金を守る習慣を作る。

教訓3|低レバ×小ロット×分割
最初は実効レバ2〜5倍を上限に。建玉は分割エントリー/分割利確で、価格のブレに備える。

教訓4|追加入金に頼らない
維持率が危うい=サイズ過多のサイン。ポジション縮小撤退を優先し、資金追加での延命は最後の手段に。

教訓5|記録を残す(取引ノート)
エントリー理由・損切り位置・結果・感情を毎回メモ勝ちパターン/負けパターンが可視化され、改善が早い。

まとめ:痛みを“設計”に変える

このロスカット体験は、私にとって苦い記憶であると同時に、資金管理・損切り・イベント対応の重要性を教えてくれました。

FXは仕組みを理解し、ルールを守ることで長く付き合える投資です。

一方で、感情でサイズを増やす、損切りを先延ばしにする、ニュースを軽視すると、短期間で大きな損失を招きます。
これからFXを始める方は、ぜひ小さく始めて小さく負ける仕組みを先に作り、低レバ・小ロット・逆指値徹底を合言葉にしてください。

私の失敗談が、あなたのリスク低減と資金防衛に少しでも役立てば幸いです。

 

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